2009年7月8日水曜日

悩ましい

♪気絶するほど......古っ。
えー,今日はちょっと研究の話をしようと思います。論文にまとめようと思ったが,うまくいかなかったもんで。ボヤきにぴったり。ここしばらくずっと考えていた問題がありました。最初は学生が発見したんですがね。
数年前から僕が研究しているものに完全相補系列という符号系列(+1 と-1が並んだ数字の列だと思ってください。)での話です。こういう系列で相関特性が良いものというのは携帯電話なんかに応用すると性能が向上すると考えられています。相関特性というのは,系列どうしの類似度みたいなもので,同じ系列をぴったり重ねたときだけ最大値を取って,それ以外,たとえば,同じ系列を少しだけずらしたときとか,違う系列を重ねたときとかはできるだけ小さい値,理想的にはゼロになるといいというものです。完全相補系列というのは,いくつかの系列の相関関数の和を取ると理想的な相関特性を示す系列の一種です。
で,ウチの学生が見つけた問題というのは,一番小さい完全相補系列,長さが4の系列が全部で4個あるものですが,その4個の系列をある順序で並べて長さが16の系列を2つ作ります。そいつらを周期的に繰り返した系列を考える。そうすると,その2つの無限周期系列の周期自己相関関数の和を取ると,周期16で最大値を取り,それ以外は0になるという性質があることがわかりました。こういう系列を周期相補系列と言います。長さ4の完全相補系列から周期16の周期相補系列を作ることができるってわけです。
僕はこの問題を一般化して,長さがnの完全相補系列から長い周期の周期相補系列を作ることができないか,しばらく考えていた。また,学生曰く,長さ4のとき以外にいろいろな可能性を試してみたが駄目だった,というので,本当にダメなのか,証明しようとしてきたわけです。
で,おとといくらいに,証明しようと奮闘しようとして,長さがnの2乗の完全相補系列をn×n個並べて周期がnの4乗の周期相補系列ができるんじゃないかと思い立ちました。きちんとした証明はしていないが,なんとなくうまくいきそうだったので,確かめてみたら.......ダメでした。直感的にはうまくいくとおもったんだけどなぁ。やっぱり長さが4のときしか成り立たない話なのか,あるいは別の一般化の方法があるのか,また考え直す必要があるようです。
ここしばらく,応用っぽい研究ばかりしてきたので,こういう数学っぽいネタは新鮮で良いですね。こんなのに歓びを見つけてしまうから,数学の某先生に「隠れ数学科」なんて言われるのかもしれません。僕は数学の研究者ではなく,単なるエンドユーザなんですけどね。
いやぁ,でもこの問題は今年のうちに何とか解決したいなぁ。とりあえず夏休みの宿題にしよ。あ,夏休みは教科書書くのに忙しいのかなぁ???? いや,研究もするど!!!
ホント,悩ましい。ま,何かいい感じの悩みですけどね。

0 件のコメント:

コメントを投稿