2009年7月10日金曜日

生きててよかった

 今日は東京ドームにやってきました。野球,ではなくて,Simon & Garfunke の来日公演です。さすがに年齢層は高め。僕でおそらく平均以下だと思います。
僕が彼らの曲を意識して聞くようになったのは,高校生の頃,ちょうどPaul Simonの名盤 "Graceland" に出会ったのがきっかけです。正確には,その前にも何度も曲は聴いていたし,映画「卒業」もテレビでだったとは思うけど,何度か見ていた。ただ,自分でレコード(当時はね)買って,という感じではありませんでした。しかし, Graceland の衝撃はすごかった。何だ,このサウンドは??何だこの言葉の洪水は???という感じで, You Can Call Me Al とか, Diamonds on the Soles of Her Shoes とか,詞の力に圧倒された記憶があります。中でも僕の心をとらえたのは,アルバムの最後を飾る All Around the World or the Myth of Fingerprints という曲です。これって何だ???とその言葉の解読に心を奪われましたね。そこからさかのぼって,Paul Simon のアルバムを聴くようになり,たとえば,Me and Julio Down by the Schoolyard なんかが僕の心をとらえたわけです。
詞が印象的,という意味では,例えば90年代に入って Belle and Sebastian なんかの CD を聞いた時も「おっ!」と思いはしたけれど,言葉の威力というか,深み,という意味では,少なくとも僕の中では Paul Simon にはかないませんでしたね。で,その後, S&G の作品もさかのぼって聞くようになったというわけ。学生のときには新宿の中古レコード店で Paul Simon が Simon & Garfunkel として活動していた最中にイギリスで録音したソロアルバム "Paul Simon Songbook" のアナログ盤を見つけ,結構なお値段で購入しました。その店にはこのアルバムが2枚置いてあって,一枚は音質の良いオリジナル盤(イギリス番),もう一枚は少し傷が多いけれど,アメリカ盤で,オリジナルのイギリス盤とはジャケット写真が裏焼きになっているという珍品でした。どっちを買おうか迷ったけれど,どうせなら珍しい方をと思って裏焼きの方を買いました。傷があるとは言え,珍しい方を,というのがファン心理だったのかも。その後,この Songbook は日本でもCDが発売されました。これも我が家にあるけれど,なぜかCDのジャケット写真は僕の持っている米国盤と同じ「裏焼き」なんですよね???何で???どうせならオリジナル盤にしてくれればよかったのに。というわけで,我が家には Songbook のオリジナルジャケットのものはなかったりするのであります(どうでもいい話だ)。
で,今日のコンサートです。Old Friend ツアーと銘打たれたステージ,1曲目はもちろん Old Friendsからしっとりと始まりました。で,この路線でしばらく行くのかと思いきや,2曲目で以外にも A Hazy Shade of Winter なんてのを持ってきて,少しボルテージを上げるあたりが憎い。その後,I am a Rock,America などおなじみの曲が続き,ポールとアートがそれぞれのソロを3曲ずつ挟んだり, Mrs.Robinson のときには映画「卒業」のフッテージが流れる演出なんかがあったりして,メインステージは約1時間半後, Bridge over Troubled Water で幕。その後,2回のアンコールで The Sound of Silence, Boxer, Leaves That Are Green, Cecilia を演奏して約2時間のステージが終了しました。2人も満足そうだったが,こちらも大満足。年齢も年齢なので,ちょっとアートの高音がくすみ気味だったのと,2人ともかなり皺くちゃだったけれどね。
いや,しかし,生きているうちにライブを見られるとは思っていなかったので,今回は本当によかった。生きているうちにってのは,僕がって意味ではなく,彼らがって意味ね。もちろん,まだ生死を問うような年齢ではないのだけれど,再結成してツアーで来日するようなことがあるとは想像していなかった。本当によかったです。

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