2019年11月29日金曜日

2020

今週の火曜日から,鹿児島県は霧島温泉で開催された第42回情報理論とその応用シンポジウム(SITA2019)に参加していました。

研究成果の発表もそうだけれども,今年のボクの最大のミッションは,来年開催されるSITA2020のプロモーション。

来年の第43回情報理論とその応用シンポジウム(SITA2020)は,ボクが実行委員長で北海道は登別温泉登別万世閣で開催されます。会期は2020年12月1日(火)から4日(金)まで。新千歳空港からバスで登別温泉街まで参加者の皆さまをお連れする予定です。

すでにいくつかの企画を実現すべく,動き始めています。

情報理論にとどまらず,情報通信,機械学習,信号処理など,多くの分野の方々の参加をお待ち申し上げています。

一年後,冬の地獄谷でお会いしましょう!


2019年11月22日金曜日

Temple

12月3日からベトナムのダナンに行く。

通常,ベトナムは15日間であればビザ無しで入国できる。ただし,前回ベトナムを出国してから30日以上間隔が空いていること,という条件がある。この条件が意味するところは不明だが(運び屋対策?),ボクは前回ハノイから帰ってきたのが11月7日だったので,今回,ビザが必要になってしまった。3日間しか行かないんだけどねぇ。

ということでビザ申請をした。オンラインでもできるという話だったのでトライしたが,なぜかあるページから先に進めない。何度試してもダメ。

よくわからないので,大使館に電話してみたら,混み合っているというメッセージの後,突然,回線遮断

そのままお待ち下さい的なオプションはないのかよ!
とは思ったが,めげずにメールで問い合わせてみた。

その日のうちには返事は来ず。
まぁ,こんなもんだよねー,と思っていたら,翌早朝にメールが。

   お客様、
   ベトナム大使館で観光ビザ申請必要です。(郵送申請可能)
   必要な書類はパスポート、申請書(テンプルファイル)、写真2枚

   基本的に問題がなければ当日受領できます。

   Consular section

て・・・・テンプルファイル?

・・・寺?

・・・こめかみ?

・・・あぁ,「添付」ね。
というわけでテンプルファイルに必要事項を記入。

で,あんまり時間の余裕もなかったし,郵送だと日数かかりそうだった上,奇跡的に半日時間が空いたりしたもんだから,大使館,行ってきました。結構な人数待たされたが,申請から30分程でビザ受領。

郵送だと5営業日かかるとか書いてあったんだけど,これ,来た方が圧倒的に早いな。

というわけで,みなさんも必要になったらテンプルファイルに記入して申請するといいですよ。

追伸:ウチの学校は,メールへのファイルテンプルは禁止です。
                        情報セキュリティ推進委員長

2019年11月20日水曜日

告知とお詫び

告知が2件お詫びが1件あります。

まずは告知その1

米国のビアライター,Joshua M. Bernstein による"Complete Beer Course" という本があります。2013年に出版されたこの本は,この手の書籍としては異例の10万部に及ぶ売上を全米で記録しているそうです。

この度,この本をボクが翻訳したものが出版される運びとなりました。

コンプリート・ビア・コース ― 真のビア・ギークになるための12講

という本です。本文300ページを超える書籍ということで,翻訳作業に3年,その後出版にこぎつけるまでさらに1年を費やしたという労作です。図版も数多く収録されオールカラー版になっています。

内容は,さまざまなビアスタイルについて歴史や現代の米国における傾向などを,実際の銘柄のサンプルを取り上げながら紹介したものです。取り上げているビアスタイルは70近く,本の中で写真入りで紹介している銘柄は150ほどに及びます。日本のクラフトビールに関する記述もあり,常陸野ネストビールベアードビール富士桜高原麦酒伊勢角屋麦酒ヤッホーブルーイングなどが紹介されています。また,スタイルごとの銘柄リストには,ボクの方で原著にはない日本の銘柄も数多く追加しています。

さらにビールのテイスティング法や貯蔵のコツ,フードとのペアリング,なども紹介されています。ボリュームはありますが,軽いタッチで楽しく読めると思います。

フルカラーで300ページもあるボリュームなので,お値段はそこそこですが,ぜひ手にとって,お買い上げいただけると幸いです。

公式の発売日は 12月12日に決まりました。現在,Amazon などで予約受付中です。Amazonの書籍ページへは下記 QRコードからもアクセスできます。


次にお詫びです。

一部では,この本の発売日が11月8日と告知していましたが,その後12月2日に修正され,最終的には12月12日となりました。これ以上遅れることはありません。楽しみにしていた皆さんにはお待たせすることになり,大変申し訳ありませんでした。およそ1ヶ月ほどの遅れとなりましたが,この間に本の内容はブラッシュアップされていますので,皆さんには大いに楽しんでいただける出来になっていると思います。


最後に告知その2です。

この本の出版を記念して,イベントが行われます。

まず,出版される12月12日の夜に下北沢の本屋B&Bさんで


というイベントを行ないます。私の翻訳本と『今飲むべき最高のクラフトビール100』を書かれた長谷川小二郎氏とのジョイントイベントです。当日は,本の即売やサイン会も行ないますが,私は「旅するビアスタイル」というタイトルで,この本に出てくるビアスタイルや,一部本に載っていないものも含め,世界各国の状況と合わせてお話しします。これからの寒い季節にピッタリのビールを楽しみながらお聞きいただけます。ぜひご参加ください。予約はこちらでお願いします。

また,この週の土曜日,12月14日にはこの9月に横浜に誕生したばかりのブルワリー,REVO BREWINGさんを会場に,


というイベントにも出演します。ここでも本の紹介と即売,サイン会などを行ないます。このイベントは『発酵野郎!』を上梓された伊勢角屋麦酒の鈴木成宗社長とのジョイントです。さらにはサッポロビールから4月に発売された「SORACHI 1984」を造られたビアデザイナーの新井健司さんもお招きし,パネルディスカッションを行ないます。伊勢角のビールとSORACHI 1984の他,REVO BREWINGさんのビールもお楽しみいただけます。詳しくはこちらをご覧ください。

この他,随時全国各地で出版記念イベントを実施する予定です。年明けには静岡松本での開催を計画しています。詳細が決まりましたら,またご案内します。

まずはこの本を手にとっていただき,一度でいいから中に目を通していただければと思います。じわじわと手元に置きたい気持ちが湧いてくると思いますよ。

ということで,ご贔屓にどうぞ m(_ _)m

2019年11月7日木曜日

勝手にしやがれ

政府の作成する公文書等で、日本人の名前を英文表記する際、姓−名の順とすることが定められたそうだ。報道もされたし、ウチの学校においてはご丁寧に本省からの通達もあった。

くだらねえ。

この件については、人によっていろいろな捉え方があるだろう。
賛成意見もあるだろうし、反対意見もあるんだろう。
僕は、反対も賛成もしない。
ただ、こんなことを国としてわざわざ表明するこの国のやり方が単純にくだらないと思うだけ。どうだっていいだろ?こんな話。

あえて言えば、どちらかというと嫌悪感を覚える。
なぜなら、この国の政府は、国民個人を同定する記号としての名前を表記する上で、一個人としての記号ではなく、「家」を象徴する記号の方を重視するように聞こえるからだ。

繰り返すが、そういう違和感を覚えるものの、別にどうでもいいと思っている。
こんなくだらないことに労力をかけるこの国のやり方がひたすらくだらないと思うだけ。

僕には海外の研究者やビール醸造家など、外国人の友人が数多くいる。
彼らの中には、僕のことを名前で呼ぶ者もあれば、姓で呼ぶ者もいる。
だからといって、別にこう呼んでほしいなどとは特に思わない。
どちらで呼ばれても自分の顔や立場と紐付けされた記号には違いないからだ。

海外にいる僕の共同研究者は、若い頃書いた論文では誤ってgiven nameの方が著者名として認知されてしまい、今でも当時の論文はgiven nameで引用されることが多い。今は本人も積極的にfamily nameの方で特定されるように注意しているようだが、どちらで引用されようとも、彼本人、一個人としての業績には違いないし、本人を知っている僕らにとっては、どちらで表記されようとも、彼の顔を思い浮かべてその業績を特定するので、別にどちらで表記しようがどうでもいいのだ。

こんなこと、国がああしろ、こうしろなどというような性格のものでは決してない。

だから、今回の話は国が作るどうでもいい公文書に、名前さえ乗っていればいいどうでもいい個人を特定する際のルールをわざわざ決めただけだろうと思っている。

僕自身は海外の友人から、どちらで呼ばれようとも別に何とも思わない。
どう、呼ばれようが、僕は僕だ。
今までも、これからも。

ほんっとくだらねえ。

2019年10月28日月曜日

20年

先週,10月20日から24日まで,中国の広東省東莞にある東莞理工学院で開催された国際会議 IWSDA'19に参加してきた。この国際会議は,通信のための信号設計とその応用に関するワークショップで,2001年に第1回が開催されて以来,今回で9回目になる。中国ではこれが4回目の開催,それ以外では日本で4回,インドで1回開催されている。


実は,僕はこの会議の皆勤で,9回の会議すべてに論文が採択されて出席もしているのは,どうやら一人だけらしい(ただ,僕の場合もうち1回は筆頭著者ではなく,学生との共著だが)。

というわけで,どうやら僕はこの会議においては重要人物の一人らしく,たびたび名前はアナウンスされるわ,会議に組み込まれていたHuaweiとの夕食会では,学長やHuawei関係者と同じ席に通されるわ,とナゾな歓待を受けた。ま,その分,また仕事しろということなんだろう。

これまでも僕は2009年に福岡で開催された第4回,2013年の東京での第6回,2015年インドでの第7回でプログラム委員長,前回2017年札幌開催された第8回では実行委員長を共同で努めているから,まぁ,ここではVIPなんだろう。ちなみに,次回も何かよろしくね,なんてことを言われたからきっとまた何か仕事が降ってくるに違いない。

ちなみに次回は2年後の2021年でこのワークショップが誕生してちょうど20年の契機。場所も初めてアジアを飛び出して英国のエセックス大学での開催が決定している。

ちなみに今回,会議のエクスカージョンでは,虎門鎮のアヘン戦争博物館のほか,Huaweiが東莞に建てた新社屋にも行くことができた。ただ,中までは見られず,Huaweiがを建築したとかチマタでささやかれている施設を眺めるだけだったんだけど....


金持ちの考えることはわからん....

2019年8月20日火曜日

深読み

伊勢角屋麦酒の鈴木成宗社長の著書「発酵野郎(新潮社)が出版されている。
すでに大きな注目を浴びているが,ボクもじっくりと読んでみた。2回
1回はまず通しで。2回目は気になったところをチェックしながらじっくりと。

鈴木さんは日本のみならず海外でも活躍するビアジャッジでもあり,僕も海外の審査会で度々ご一緒させていただいている。僕が主催するビアジャッジングの勉強会に参加していただいたこともある。鈴木さんの車で伊勢を案内していただけたのはもう7年くらい前になるかな?歳もほぼ同じ(鈴木さんが1コ上)なので,それなりに親しくさせていただいているつもりだ。

通しで読んで思ったのは,鈴木さんはやはり学者肌だということ。事実,社長業の傍ら,三重大学で博士の学位を取られているし,いい意味でも悪い意味でも,僕らのメンタリティーに近い。多分,僕より学者に向いている

著書の中には,僕が普段学生に言っていることや今後伝えたいことも多い。それに,ビール業界においても注目すべき内容が少なくない。

ぜひ多くの方に目を通してほしいので,僕の気になった部分を僕なりに咀嚼しながら少し紹介しよう。

まず,僕自身も学生たちに伝えたいことについて。

「ビールの世界も他のモノづくりと同じで,少しでも妥協すれば一気に味は落ちる」
これはアカデミックな世界における研究や産業界における開発でも同じだ。研究やものづくり,うちの学校でいればロボットコンテストやプログラミングコンテストなどに携わる学生たちにはぜひ肝に銘じてほしい。

研究に役立つという意味では,次のような記述もある。鈴木さんが学生時代に恩師からいただいた言葉だ。
「最善をつくすために考え尽くしたのか?必要な材料を集めたのか?当てずっぽうでやるな。ファクトにもとづけ。」
研究や開発は事実の積み上げに基づく。特に工学においては。

努力も重要だ。鈴木さんが最初にビール醸造を始めた頃の話。
「そもそも知識がないので,文献を片っ端から読んで勉強した」
地道な努力は絶対に無駄にならない。その量が人よりも多ければ,その努力量こそが個性になりうる。

ビール造りがうまく行かなかったときの対処法について。
「経験やデータをもとに因果関係をはっきりさせるが,それらがなければ一つずつ探る」
これなんて,プログラミングにおけるデバッグそのものだし,研究や開発が行き詰まったときの対処法にもそのまま言えるだろう。

人間の成長には,その人自身の努力が重要なことは言うまでもないが,出会いも重要だ。
「多くの人は素晴らしい人や人生を変えかねない人にすでに出会っている。重要なのは自分がそれをつかむかつかまないかの差。」
僕自身も自分のターニングポイントとなったときには重要な出会いがあったよなぁと思うし,今の僕を形作っているのは大学の教員になってから出会った人たちと,彼らと共有した経験に他ならない。チャンスは自分がつかんで初めてチャンスになる。眺めているだけで何かが降ってくるような奇跡はそうは起こらない。

また,次の言葉は僕自身がかつて恩師からいただいた言葉と似ていたのでハッとさせられた。鈴木さんがある経営者から言われた言葉だ。
「あなたに足りないのは自らを過信することや」
前にもココで書いたような気がするが,僕が恩師に言われたのは「謙虚に,だが大胆に。」ということ。自信をもって前に進むべき,しかし,傲慢になってはいけないということだ。ただ,言った本人はあまり覚えていないんだそうだけど...。

学生に限ったことではないが,積極性に欠けるあまり本来の能力を十分に発揮できない人をよく見る。鈴木さんが初めて英語で海外の審査会に行ったときのこと。
「何かやりたいときには実力が伴わなくても手をあげるべき」
そのとおりだと思う。実力は経験とともに備わる。日本人が海外で活躍できない一因もここにある。出る杭が打たれるとは限らない。自信を持つことは悪くない。
こんな記述もある。
「他のビールを認めた上で「俺のビール最強」という醸造家が生き残っている」
これこそまさに,謙虚さと大胆さを持ち合わせている好例だろう。

経験値という意味では次の記述も興味深かった。
「料理は時間と分量と温度を間違えなければ誰でもできる。科学の実験だよ。」
「マニュアル通りにやれば,誰でも70点ぐらいのビールはつくれる」
僕はよく料理をするが,昔はレシピを見ながら慎重に作っていた。まさに科学実験。ただ,そのうちにが働くようになってきたし,自分なりのアレンジも効かせられるようになってくる。これが経験値。これは研究の世界でも同じ。最初は教科書どおりにしかできなくても,経験を重ねると独特の勘が働くようになる。それにより,他と違う何かが生まれる。これがアマチュアとプロの違いなんだろうと思う。ま,ボクの料理は家庭内のものなので,あくまでもアマチュアだけどね。

ちなみに僕は自分のことをwell-educatedな数学のエンドユーザと呼ぶことがある。その意味で興味深かったのが,次の記述。
「ビールの品質改良を突きつめると引き算と足し算。積分といえども掛け算の無限の足し算であり,掛け算は有限の足し算の集まり」
やっぱり鈴木さんは理系の研究者だ。たぶん,いい教員にもなれる。そんな鈴木さんに「小嶋センセイ」とか言われるとちょっとこそばゆい(ちなみにカタカナ表記の「センセイ」はボクの中では漢字で書く「先生」の謙譲語である。)。


ビール業界,特にクラフトビールを取り巻く状況に関しても注目すべき記述が多い。
前世紀末,いわゆる第一次クラフトビールブームの頃の状況について,こんな記述がある。
「クラフトビール文化が醸成されておらず,お客さんの舌も肥えていない」
「多くの造り手が素人だった」
「オリンピックやサッカーのワールドカップならまだしも,AIBAで金賞と言っても1000人にひとりも意味を理解していない」
などなど。今は,全国に次々にビール醸造所ができ,その数は400に及ぶ。メディアにも多く取り上げられるようになり,何度目かのブーム再来とも言われている。ただ,それでもマーケットシェアはせいぜい1%そこそこだし,新しい醸造所の中には品質に問題を抱えるところも少なくない。上のような記述は程度の差こそあれ,依然としてそのまま今の時代にも当てはまるのではないだろうか?

そして彼はこうも書く。
「狭い市場を狡猾に取り合うよりも,パイを大きくすればみんなが幸せになれる」
僕もそう思う。というか,これこそが健全な自由競争の下地になるんだと思う。ちなみに研究においても,僕らが論文を発表するのは,思想を共有(シェア)することが目的であってまさにこれに当たる。情報共有の果てに発展がある。


伊勢角屋麦酒は今では世界的な評価も手にし,出荷数も右肩上がりで成長を続けているが,そのような状況の中でも鈴木さんは新しいチャレンジをやめない。
「日本らしさを前面に打ち出したビールをつくってみたい」
とのこと。実は,ボクなんかも時々,「そろそろ日本独自のビアスタイルを作ってもいいのではないか?」と話すことがある。ただ,ビアスタイルは明確に定義された「ものさし」でなければならないが,おそらく,ここで鈴木さんがおっしゃっているのはもっとアナログというか情緒的なものなんじゃないかと想像する。日本のブルワリーの中には日本固有の副原料を使ったり,伝統的な味付けにあったビールを模索したりする動きは確かにある。でも,そうではなく,日本人にしかわからない「日本風」なもの,がビールで表現できたらおもしろいなぁ,と思う。ぜひ,鈴木さんには挑戦していただきたい。たぶん,ビアスタイル的にはどこに入れていいのか迷うものになるだろうけど。


ということで,書籍全体を2度にわたって通読したが,非常に楽しく読むことができた。ぜひ,みなさんも手にとってみてほしい。ビールに興味がなくても,未成年の学生さんでも,必ず何か,感じ取れることがあるはずだ。

ちなみに,秋にはボクの本も出る予定です。
これについてはまた別の機会に。


追記:巻末にはビールの醸造プロセスやビアスタイルに関する補足があった。
ポーター(イギリス発祥の黒ビール)のところでは,ポーターはローストした麦芽を用い,一方,アイルランド発祥のスタウトは発芽しない大麦を焦がしたローストバーレイを一部使用すること,さらには,これの二つのスタイルについて醸造家の間でも両者の線引きが曖昧,であると書かれていた。やっぱ,そうですよねー。


2019年7月21日日曜日

オクトパシー

この6月,7月は何だかすごく忙しかった。
ウチの学校は4年生で企業や大学でのインターンシップが必修で卒業要件になっている。全員が最低10日間の実習を行なうことが必要。今年は4年生の担任をやっているので,かなりの時間を企業と学生のマッチングや学生の履歴書など提出書類の確認などに費やした。

ちなみに僕の仕事の中心はやっぱり研究と授業。これは一つと数えよう。それ以外に4年の担任。この他にもウチの学校の中でそれなりに責任のある仕事を2つ引き受けている。つまり,学校の中の仕事は4つ。負荷は4等分ではないけどね。

一方,学校の外での仕事もある。全国高専プログラミングコンテストの委員がその一つ。それ以外にも学会関係で負担の重い仕事を2つほど引き受けている。それにご存知のかたも多いと思うがビ◯ル関係のものもある。

ということで,数えてみたら8足のわらじ。

タコじゃん。


2019年7月6日土曜日

質問の妙

NHKのスポーツ中継を見ていて思うことがある。
(今,ウィンブルドンの中継を見ながらこれを書いている。)

NHKのスポーツ中継アナは,ときどき,解説者から視聴者に向けて言ってほしいコメントを引き出すような絶妙な質問を投げることがある。これは特に,その競技に明るくない視聴者に対しては,試合の流れや見どころを理解する上でこの上ない助けになる。単に事実を伝えるだけでなく,スポーツ中継という映像コンテンツに対して,すばらしい付加価値を与えていると思う。特にテニスやサッカー,ラグビーなどで顕著だ。

おそらく,アナウンサー自身が,そこを指摘することができる程度の深い知識を持っている。だから,解説者からそのコメントを引き出す質問ができる。本当にプロの仕事だと唸らさせることがある。

なぜか,民放のスポーツ中継を見ていてそれを感じることはほとんどない。というか皆無。なにが違うんだろう?

実はこれって,僕らが入試で行なったり,ウチの学生たちが進学や就職で受ける面接と似たところがある。いい面接官は,受験者から聞きたいことを引き出すような質問,受験者が言いたいと思っている答えを引き出すような質問をする。それによって,その受験者にとっても悔いがなく,面接者にとっても必要にして十分な内容を引き出すことができる。これによりフェアな選抜が行なわれる。

NHKのスポーツ中継では,アナウンサーと解説者のやりとりで,そういうツボを感じることがしばしばある。深読みし過ぎかなぁ?と思わないでもないけれど,僕らが受験生に質問する場合には,そういうところを狙っていたりするから,ひょっとしたら同じようなことを気にかけているんじゃないかと思うこともあるし,中継を見ていて,明らかに,「あ,ここ,やったな?」と思うポイントがある。

ホントのところはどうなんだろうねぇ。

僕の深読みしすぎ?

それとも,職業病?


2019年7月5日金曜日

再生

今日,仕事で使っているMacBookAirに異変が。

一瞬,動作が異様に遅くなったので,キモチ悪いからとりあえず再起動をかけてみた。

で,立ち上がってみると,画面上のアイコンが異様に小さい。ポインタなんてどこにあるかわからない。解像度が異様に高くなっているらしい。

こちとら老眼なんだから勘弁すれよ

というわけでディスプレイの解像度を変更しようとしてみると,2880×1800しか選べない。つまり,どうしようもない。さらにはオーディオ出力も見つからないとか言われている。

うーむ,これはおかしい

ということで,時間ももったいないのでサポートに電話。
で,指示を受けながらいくつか試してみたんだが解決せず。

結果的にどうなったかというと,OSの再インストール
ま,ディスクをまっさらにするわけではなかったのでデータは残るんだが,怖いので,大事なものだけ一旦避難して再インストール

勘弁すれ

というわけで,図らずも残業と相成りました。

再インストール中にいろいろ用が足せたからいいんだけどね。

何だったのかなぁ....


2019年6月9日日曜日

民泊

この一週間,カナダはバンクーバーに出張で来ていた。目的は第14回有限体とその応用に関する国際会議(Fq14)に参加するため。

航空券とホテルは3ヶ月近く前に確保していたのだが,バンクーバーのホテルはかなり高い。特に会議の会場であるSimon Fraser University のウォーターフロントキャンパス周辺はとんでもなく高い。ということで,ネットで探して,電車で30分くらいのリッチモンドという地域にあるアパートタイプの宿を確保していた。

ところが,ホテルをブッキングした後,届いたメールにはこんな一文が書いてあった。

このホテルにはフロントがありません。
宿泊前に事前に直接連絡してチェックイン方法を確認してください。

....なんやと?

まぁ,そんなこともあるのかねー,くらいに思って2, 3日前に電話すればいいのかいな?くらいに思っていた。ただ,ホテルを予約したサイトからテキストチャットができそうだったので,とりあえず連絡してみた。

俺は宿についたら,どうすればいいんだ?

と。
すると結構電光石火にリプライが届き,次のように指示された。

フロントドアにあるキーパッドで#XXXを押し,
建物に入った後,16階の16YY室が部屋なので,
ドアのキーパッドでパスコードZZZZを押したら部屋に入れる。
部屋に入るとテーブルの上にカードキーが置いてある。

なんか,秘密工作の指示みたいだ....

で,ホテル前に着き,ドアのそばにあるキーパッドで指示された#XXXを押すと呼び出し音が鳴るものの,ドアの鍵が開く気配はない。何度か繰り返すが同じ。

んんんん,困ったなー

と思っていたら,中から出てくる人がいたので,無事,建物には侵入

ということで,エレベーターで16階に上がる。
自分に割り当てられた部屋16YYを見つけると,そこにはこんなキーパッドが。


ということで,教えられたパスコードZZZZを押すと中に入れた。
部屋に入るとたしかにテーブルにはカードキーが置いてあり,

(ちなみに,このテーブルクロスも微妙...)

なるほど,次からはこれで入れるのね?と納得はできた。

でも,建物のフロントドアは開けられないままだよねー,と不安になったので,部屋からネットに繋いでまたチャットで聞いてみた。

偶然,建物には入れて部屋までは来たけど,建物のドアの開け方が
イマイチわからんのよねー

と聞いてみたら,これからロビーに行って教えるから,そこで会おうと。

ということで行ってみたら,中華系のオバちゃんが参上。
で,建物のドアの開け方も教えてもらったのだが,次からはカードキーをスワイプすれば開くと。何だよ,じゃ,このカードキーが全部解決するのね。
と思ったら,これまた違うらしい。

与えられたカードキーは,建物のドアと,プール,ジム,ホットタブ(共同のジェットバスみたいなやつ)に入るために使い,部屋に入るときはキーパッドでZZZZを押せと,

えー,まじーー。

で,後から気がついたのだが,この設備はいわゆる高級ホテルの一室で,そこをこのオバちゃんが買い取っているだかリースで借り受けているだかして,民泊みたいに又貸ししている物件のようだった。確かに上のドアの写真にも "PRIVATE" って書かれていたっぽい痕跡が残っている。

で,1階まで降りれば,廊下を伝ってホテルのロビーまで行けるので,フロントドアが開けられなくても,ホテルの正面玄関から入れれば,自分の部屋までは行けるので,ぶっちゃけ,建物のドアの横にあるキーパッドで #XXX なんて押す必要はなく,自分の部屋のパスコードZZZZだけを知っとけばいい。

だったら,最初っからそう言おうよ。

さらに,このホテルの通常の宿泊客はカードキーで部屋も共同設備もドアもすべて開けられるのだが,この民泊みたいな部屋に関しては部屋に入るときだけカードキーが通用せず,パスコードが必要らしい。

部屋自体はダブルベッドルーム+ダブルバスルームでキッチンと洗濯機完備なので6泊する身からしたら身に余るくらいの設備。それなりに快適。ジェットバスも楽しかった。ただ,ホテルではないので6日間,部屋のサービスは一切入らない。チェックアウトも指定の時間までにカードキーを放置して部屋を出るだけ。

まぁ,気楽でいいけど,この手の経験は初めてかもなぁ。

さらに後から気づいたんだが,このリッチモンドというエリアはアジア系の住民が半数以上を占めるらしい。確かに部屋にもこんな微妙なカレンダーがあったもんなぁ。


それなりに長く生きてきたつもりだが,まだ知らないことは多いなぁ.....

2019年4月24日水曜日

Connected

4月の頭から,仕事で使っているデスクトップPCが学内LANにつながらないという問題が起こっていた。正確には有線LANにつながらないだけなので,とりあえず無線LANで接続し,後で問題を検証しようと放置していた。

その後いろいろ忙しく,ほったらかしになっていたのだが,さすがに連休前に何とかしようと思い,調べてみたところ,僕の部屋のネットワークコンセントが全然反応していなかった

ウチの学校のネットワークは学校全体の基幹回線が各建物に引かれ,僕のいる建物ではそれを各フロアに分岐(A)して,僕のいるフロアでさらにこれを分岐(B)して各部屋まで届いている。少なくとも同じフロアで同じような問題が起こっているわけではなさそうだったので(A)までは正常。ということは(B)に異常があるか,あるいはそこから僕の部屋までの間に異常がある。

ということで,パイプスペースの中にあるハブを確認してみた。僕のいるフロアでは8ポートのハブが2台カスケード接続されていて,そこから各フロアに配線されている。ところが,僕の部屋へのケーブル以外はすべて1台のハブ(C)に接続されており,僕の部屋へ配線されているケーブルだけがもう1台のハブ(D)につながっていた。そこで,(D)を検証してみたら,これが完全に死んでいて反応せず

そりゃつながらないわ。

同じフロアの他の回線を切るわけにもいかないので,自分の部屋で使っていたハブを(D)とすげ替えてみたところ,僕の部屋の回線から信号が検出され,ネットワークにも無事つながることが確認できた。

なぜ,僕の部屋への回線だけがイカれた方のハブにつながっていたのか?とか,そもそもなんで1台完全にイカれていたのか?とかいう問題は検証のしようがないが,3月末に全学一斉停電があった際に,いろいろ問題があったらしいことは耳にはさんだ。

勘弁してよ。

ということで,生きている(C)のハブには空きポートはなかったものの,どうせ死亡していて使い物にならない(D)とカスケード接続していたポートは生きているみたいだったので,(D)を外して,僕の部屋へのケーブルを接続,これで当面の問題は解決

ただ,(C)のハブも古いし,(D)と同じ型なので,学科の経費で新しいハブを買ってもらうことにした。

結局,問題は物理的なところを最初に疑うべきなのね。

2019年3月24日日曜日

続報

先程の投稿の後,なかなか面白い展開になってきたので続報を書く。

結局,ANAのメキシコシティ行き直行便には乗らないことになりました。
多分,すべての乗客の中で乗らないのはボクだけ

理由はメキシコシティからタンピコへの代替便が向こう2日間くらいにわたって確保できないかららしい。そうかもね。実際,イベントのために利用する人数が突発的に増えてるもんね。

ということで,ANAに提示された代替便は,明日の午前発のヒューストン行き,そこからタンピコに乗り換えなら用意できるとのこと。今晩は成田泊だが,宿も用意してもらえた。

一つ問題は米国乗り換えになることで,ボクのESTAが切れていたので,ANAの係員立ち会いのもと空港のゲートで申請。代金は今日のレートで現金でキャッシュバックしてくれるらしい。ただ,支払いは済んだものの,ずっとPending状態で,こればかりはいつ認可されるかわからない。

明日の朝までに下りていればいいけどね。ダメだったら明日またANAと交渉。

ということで,今,出国取り消し手続きとかいうのをやってもらい,荷物を受け取り,用意してもらったホテルへのバスの中というわけ。

さすがにこの展開は今回が初めてだなぁ。

もう今晩は一杯呑んで寝るとしようね。それで体力を回復。

あー,疲れたわい。


長い旅

今日の夕方,16:40にメキシコに向けて成田を発ちました。目的はメキシコのタンピコという街で開催される Aro Rojo 2019 というビールの審査会にジャッジとして参加するためです。乗ったのはANAのメキシコシティ直行便。

ところが,2時間ほど飛んだところで計器トラブルのため成田に引き返すということで,21時ちょっと前に着陸。今,成田でこれを書いている由。で,ゲートを変えて他の機体で約2時間後に再離陸するとのこと。16:40発のところが,事実上22:30発に変更になったわけで,メキシコシティ到着も6時間遅れることになる。当然,タンピコへの乗り継ぎ便には間に合うはずもない。

同一旅程での乗継便予約なので,メキシコシティ到着後に現地スタッフが代替便の対応をしてくれるとのことだが,多分現地到着は夜の19時くらい。その日のうちにタンピコ行きの便が用意されたとしても着くのは深夜よねぇ。

タンピコの空港では,迎えの人が来てくれることになっているので,予定の時刻には間に合わないことをとりあえずメールで連絡。メキシコシティからの代替便が何になるかも現時点ではわからないので,現地に着いて乗る便がわかった時点で再度連絡することにした。

めんどくさいねぇ。
ホントに計器トラブルかな?ちょっと前のトレンドだった飲酒運転(操縦?)とかじゃないと良いよねぇ。

このトシになると,この程度のトラブルでは動じなくなる。多少のことは金や保険が解決することがわかっているから。でも,疲労だけはご勘弁だ。それはトシとともに対応できなくなる。

勘弁してくれ。


2019年1月22日火曜日

異常行動

ウチの下の子がインフルにかかった。土曜日まで登校禁止だそうだ。
家の中でも隔離しろってよ。
ま,ウチには受験生もいるからね。言われなくても隔離

さらに薬局で言われた。

薬剤師「10代前半の男性患者には異常行動が見られると報告されているので,ご家庭でも気をつけてください。」

オレ「あー,異常行動はいつものことなんで。」

薬剤師「あはははは!さっきのお母さんも同じことおっしゃってました!」

みんな考えることは同じ。