2009年9月9日水曜日

ぶれるなよ

さて,教職員合宿研修も今日の昼で無事終わりました。まぁ,必ずしも結論の出る話ではなかったりもするんですが,まぁ,それなりに面白かったですね。で,大方の教職員はバスで学校まで帰るんですが,僕は午後行かなくてはいけないところがあったので,別行動でJRで帰路に着きました。
その行かなくてはいけないところ,というのは,電通大の長岡・小川研でした。今日は,ゼミで統数研の池田思朗さんが来て話すというので,それに間に合うように行きました。この研究室にはボクのところの専攻科生M君が現在インターンシップでお世話になっていることもあり,彼自身にも話すことがあったので,まぁ,ちょうどよかったというわけです。それに池田さんの講演テーマが「神経細胞通信路の通信路容量」というもので,僕にとっては学生時代の研究テーマと現在の研究分野の両方に少しずつかすっているようなところもあって,非常に興味深いものでした。
神経細胞は電気的にはスパイクを一定間隔で発生させて情報を伝達するといわれているわけですが,1個の神経細胞が最大でどの程度の速度で情報を伝達できるのか,という問題を理論と数値解析の双方から解析しようという話でした。神経細胞がスパイク信号で情報伝達しているといってもスパイクそのものに情報を乗せるのではなく,スパイクの間隔で情報を伝えているらしいということ,そのスパイク間隔がガンマ分布に従うという設定のもとで,信号をノイズのある通信路に入力したとき,最大通信レートを達成するような入力分布(スパイク間隔の分布)がどのようになるのか,という話でした。いや,すごく面白かった。理論的な証明や数値実験の結果はもちろん,話の発端は神経細胞のモデルなんだけど,同じような問題設定,たとえば入力信号であったり,最終的に結果として得られる入力分布であったりというのが,たとえば無線通信の世界なんかで存在するのかなぁ,とか,いろいろ考えさせられることもあって,自分の引き出しにしまっておくことで,何かの折に役に立つこともあったりするかなぁ,なんてことも考えさせられる内容でした。ウチの学生のM君も聞いていたけれど,どこまでついてきたかなぁ?まぁ,理解することは難しいだろうし,それよりも,こういう話を直に聞くという経験,研究の匂いや大学院の研究指導体制に触れることが大切だと思うから,無理は禁物だけどね。でも,何とか理解しようと喰らいつくって経験も大事ではあるから,今度感想でも聞いてみることにしよう。
ゼミの後,研究室スタッフらと池田氏を囲んで食事に行きました。そこでの話の中で,鳩山由紀夫の卒研の指導教官が理研の甘利俊一先生だったという話が出ました。そうだったのか。確かに検索すると出てきました。「ホメオステイシスの工学的研究」....生体が外界の変化にかかわらず安定した状態を保つという概念を工学的に応用ねぇ.....ボクは別に民主党支持者ではないけれど,それなりにマニフェスト立てて支持されたわけだから,官僚だとか旧与党だとか外部の圧力に負けてぶれるなよって感じはしますね。マシな方にぶれる分にはいいけどさ。しかし,「書いているうちにわからなくなってしまった」「決して成功作とはいえそうもない」ってあたりが気になるなぁ。答弁しているうちにわからなくなってしまった....とか言うなよぉ。

2 件のコメント:

  1. こんにちわ、おおにし@元同僚です。お元気でしょうか?
    鳩山由紀夫と甘利俊一で検索して、辿り着いてしまいま
    した。

    うちは、3人目が産まれ、主夫もしながら家でも仕事しよ
    うとしていますが、なかなか進みませんね。仕方ないので、
    電通大行って、星先生と議論してたりします。

    また、見に来ます。

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  2. おー!おおにしさんお久しぶりです。
    私大へ移っておられたんですね。

    また,そんなん検索してお好きですねぇ。
    実は,東大の図書館で卒論入手しようなんて話をしてたんですが,ひょっとして「最近多いんですよぉ」なんて言われていやいやコピーされたりして,なんつう馬鹿話をしてたところです。有村君なんかと。

    僕もなかなか思うように研究する時間はとれずにいますが,長岡研だったり,もっと他のところだったり,ときどき外の空気を吸ってリフレッシュしようと心がけています。

    しかし,3人とは.....体力あるなぁ (^^;

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