2019年6月9日日曜日

民泊

この一週間,カナダはバンクーバーに出張で来ていた。目的は第14回有限体とその応用に関する国際会議(Fq14)に参加するため。

航空券とホテルは3ヶ月近く前に確保していたのだが,バンクーバーのホテルはかなり高い。特に会議の会場であるSimon Fraser University のウォーターフロントキャンパス周辺はとんでもなく高い。ということで,ネットで探して,電車で30分くらいのリッチモンドという地域にあるアパートタイプの宿を確保していた。

ところが,ホテルをブッキングした後,届いたメールにはこんな一文が書いてあった。

このホテルにはフロントがありません。
宿泊前に事前に直接連絡してチェックイン方法を確認してください。

....なんやと?

まぁ,そんなこともあるのかねー,くらいに思って2, 3日前に電話すればいいのかいな?くらいに思っていた。ただ,ホテルを予約したサイトからテキストチャットができそうだったので,とりあえず連絡してみた。

俺は宿についたら,どうすればいいんだ?

と。
すると結構電光石火にリプライが届き,次のように指示された。

フロントドアにあるキーパッドで#XXXを押し,
建物に入った後,16階の16YY室が部屋なので,
ドアのキーパッドでパスコードZZZZを押したら部屋に入れる。
部屋に入るとテーブルの上にカードキーが置いてある。

なんか,秘密工作の指示みたいだ....

で,ホテル前に着き,ドアのそばにあるキーパッドで指示された#XXXを押すと呼び出し音が鳴るものの,ドアの鍵が開く気配はない。何度か繰り返すが同じ。

んんんん,困ったなー

と思っていたら,中から出てくる人がいたので,無事,建物には侵入

ということで,エレベーターで16階に上がる。
自分に割り当てられた部屋16YYを見つけると,そこにはこんなキーパッドが。


ということで,教えられたパスコードZZZZを押すと中に入れた。
部屋に入るとたしかにテーブルにはカードキーが置いてあり,

(ちなみに,このテーブルクロスも微妙...)

なるほど,次からはこれで入れるのね?と納得はできた。

でも,建物のフロントドアは開けられないままだよねー,と不安になったので,部屋からネットに繋いでまたチャットで聞いてみた。

偶然,建物には入れて部屋までは来たけど,建物のドアの開け方が
イマイチわからんのよねー

と聞いてみたら,これからロビーに行って教えるから,そこで会おうと。

ということで行ってみたら,中華系のオバちゃんが参上。
で,建物のドアの開け方も教えてもらったのだが,次からはカードキーをスワイプすれば開くと。何だよ,じゃ,このカードキーが全部解決するのね。
と思ったら,これまた違うらしい。

与えられたカードキーは,建物のドアと,プール,ジム,ホットタブ(共同のジェットバスみたいなやつ)に入るために使い,部屋に入るときはキーパッドでZZZZを押せと,

えー,まじーー。

で,後から気がついたのだが,この設備はいわゆる高級ホテルの一室で,そこをこのオバちゃんが買い取っているだかリースで借り受けているだかして,民泊みたいに又貸ししている物件のようだった。確かに上のドアの写真にも "PRIVATE" って書かれていたっぽい痕跡が残っている。

で,1階まで降りれば,廊下を伝ってホテルのロビーまで行けるので,フロントドアが開けられなくても,ホテルの正面玄関から入れれば,自分の部屋までは行けるので,ぶっちゃけ,建物のドアの横にあるキーパッドで #XXX なんて押す必要はなく,自分の部屋のパスコードZZZZだけを知っとけばいい。

だったら,最初っからそう言おうよ。

さらに,このホテルの通常の宿泊客はカードキーで部屋も共同設備もドアもすべて開けられるのだが,この民泊みたいな部屋に関しては部屋に入るときだけカードキーが通用せず,パスコードが必要らしい。

部屋自体はダブルベッドルーム+ダブルバスルームでキッチンと洗濯機完備なので6泊する身からしたら身に余るくらいの設備。それなりに快適。ジェットバスも楽しかった。ただ,ホテルではないので6日間,部屋のサービスは一切入らない。チェックアウトも指定の時間までにカードキーを放置して部屋を出るだけ。

まぁ,気楽でいいけど,この手の経験は初めてかもなぁ。

さらに後から気づいたんだが,このリッチモンドというエリアはアジア系の住民が半数以上を占めるらしい。確かに部屋にもこんな微妙なカレンダーがあったもんなぁ。


それなりに長く生きてきたつもりだが,まだ知らないことは多いなぁ.....

1 件のコメント:

  1. 部屋のパスコード、前の客と同じままだったりしたらイヤだなあ。

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