2019年7月6日土曜日

質問の妙

NHKのスポーツ中継を見ていて思うことがある。
(今,ウィンブルドンの中継を見ながらこれを書いている。)

NHKのスポーツ中継アナは,ときどき,解説者から視聴者に向けて言ってほしいコメントを引き出すような絶妙な質問を投げることがある。これは特に,その競技に明るくない視聴者に対しては,試合の流れや見どころを理解する上でこの上ない助けになる。単に事実を伝えるだけでなく,スポーツ中継という映像コンテンツに対して,すばらしい付加価値を与えていると思う。特にテニスやサッカー,ラグビーなどで顕著だ。

おそらく,アナウンサー自身が,そこを指摘することができる程度の深い知識を持っている。だから,解説者からそのコメントを引き出す質問ができる。本当にプロの仕事だと唸らさせることがある。

なぜか,民放のスポーツ中継を見ていてそれを感じることはほとんどない。というか皆無。なにが違うんだろう?

実はこれって,僕らが入試で行なったり,ウチの学生たちが進学や就職で受ける面接と似たところがある。いい面接官は,受験者から聞きたいことを引き出すような質問,受験者が言いたいと思っている答えを引き出すような質問をする。それによって,その受験者にとっても悔いがなく,面接者にとっても必要にして十分な内容を引き出すことができる。これによりフェアな選抜が行なわれる。

NHKのスポーツ中継では,アナウンサーと解説者のやりとりで,そういうツボを感じることがしばしばある。深読みし過ぎかなぁ?と思わないでもないけれど,僕らが受験生に質問する場合には,そういうところを狙っていたりするから,ひょっとしたら同じようなことを気にかけているんじゃないかと思うこともあるし,中継を見ていて,明らかに,「あ,ここ,やったな?」と思うポイントがある。

ホントのところはどうなんだろうねぇ。

僕の深読みしすぎ?

それとも,職業病?


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