2014年3月24日月曜日

懐かしの我が家

前回から1ヶ月以上が過ぎました。
いろいろ仕事に追われ,今もその一部が終わっていない有様ですが…

国外逃亡しました。

ということで,先週の金曜日からオーストラリアはメルボルンに来ています。
3年前まで1年間過ごした地で,心の故郷でもあります。
この地を踏むのは2年ぶり。

今回は研究の打ち合わせと,10月にメルボルンで行なわれる国際会議ISITA2014の現地視察やミーティングが主な目的。

既に到着初日の午後に2時間ほどの研究討論を済ませ,我が国に負けず劣らず盛り上がっているクラフトビールを楽しみ,ひょんなことから2年前にオープンしたというサイダー専門店を発見して,サイダー部の部活も滞りなく行ないました。この辺の報告はまた後日。

今回の滞在は短いですが,2010~11年に1年間暮らしたメルボルン大University College に再び滞在することにしました。


ここはいわゆる学生寮ですが,同じ敷地内にアカデミック・ビジター用の家具付きアパートが建っています。僕の滞在するのは上のメインビルディングとは離れたビジター用の棟でこんな感じ↓


左上のちょいカーテンが開いてるのが僕の部屋です。中はこんな感じ。


テーブルの上の物体は見なかったことにしてください (^^;;; 簡易キッチンが付いていて,この他にベッドルームとバスルームがあります。それなりに快適。さらには,食事は3食ついているので,いろいろ煩わしいことを考えなくてもいい。食事はとってもとらなくてもディスカウントにはならないけれど,外で楽しもうが,ここで楽をしようが,好きにできるので,それはそれなりに快適。

寮と言っても,位置づけとしては,英国のいわゆる College を継承した教育施設なので,ハリー・ポッターなんかの寮を思い浮かべてもらえば雰囲気分かると思います。今日は,学生の表彰も兼ねたディナーがあるということで…


我々アカデミックビジターもこんな(↓)黒いガウンを着て厳かに食事をとったりしました。

 
一応,名札には偉そうに「Prof. Tetsuya Kojima」などと書いてくれている (^^;;;;

ここのスタッフも何人かは去ってしまったようだけれど,プレジデントのJenniferをはじめ,3年前からいる人たちとは再会を喜び合うこともできました。

というわけで,今週いっぱい,ここに滞在して,仕事に励みます。本業も副業も。

2014年2月15日土曜日

帰宅難民?

みなさま,雪深い高尾からおはようございます。

昨夜は今年度最後の宿直でした。

ご存知の通り,昨夜からの記録的豪雪で,ウチのガッコのあたりも40~50センチは余裕で積もっております。


一応,朝は寮の風呂と食堂の鍵を開けるという任務があるので,外に出なくちゃいけない。
玄関を出てほんのちょっと階段を下って歩くだけなんだが,それでも膝まで完全に埋まってしまった。一応,冬用のブーツ的なものを履いてはいたが,中に雪が入ってしまったので,ただいま布団乾燥機を利用して鋭意乾燥中。

それとショッキングなことがいくつか。日直との交代は8:30。休日の日直業務は警備会社に外注しているのだが,その担当者から朝7時過ぎに連絡があり,

電車が止まっているので,交代時間までに行けるかどうかわからない

おいおい。
こっちはカネ払ってんだからねー,という気がしないでもないが,この天気なら仕方ないか。
というわけで,いつ交代できるやら,いつおうちに帰れるやらわからないような有様でございます。

その上,食堂のケータリング業者もたどりつけておらず,学生も朝飯が食えない状況…
しかも,業者からの連絡はなし。

どうなってんのかねー。

8:30超えても交代できなかったら,超過勤務手当的なものとか出るんかねー。

学生は自主的に雪かきを始めたけれど,十分気をつけてねー。

明日ウチ入試なんだけど,できんのかねー。

入試のために今日は業者が除雪に来るらしいけど,来れんのかねー。

あー,いつ帰れるかねー。


2014年2月13日木曜日

与えるべきもの

今日は,高専における教育って何かということを考える機会があった。

技術者教育,特に実践的技術者教育とか言われるわけだけれど,それって一体何だ?

高専ができた50年前の当時と今とは社会の状況も産業の構造も違うし,技術も進歩している。

この学校で,学生は何を学ぶべきなのか?
この学校で,我々は何を教えるべきなのか?

特に情報工学などという怪しげな分野は,変化が激しいと言われ,時代の変化に適応するのは大変でしょう的なことを言われることもある。

でも,どうなんだ?
いかに社会が変わろうとも,新しい技術が登場しようとも,学校で我々が教えるべきこと,学生が学ぶべきことは,もっと普遍的なものなんじゃないだろうか?

我々がなすべきことは,社会に迎合した小手先の技術を教えることではないはずだ。そんなものはすぐに陳腐化する。そんなものを少なくともこの学校で教えてもあまり意味はない。それよりも,この分野のエンジニアとしてものを作るとき,ものを考えるときの基礎になる土台をこそ,しっかりと育むべきなんじゃないだろうか。見てくれは時代とともに変わるかもしれない。だけれど,芯の部分は,ブレちゃいけないように思うのだ。

実は,ウチのガッコのウェブサイトにもきちんと書いてある。
情報工学科の説明には

目覚しく技術革新が続く時代にあって,
将来の技術革新にも対応でき,
社会をリードできる人材を育てる

とある。 ま,これはこれでちょっと漠然としすぎてる感はあるわけだけれども,でも,そういうことなんだよ。

じゃ,我々がこの学校で学生に与えるべきものは何なのか?
実践的技術者教育って,何をすることなのか?

一言で語るべきではないのかもしれないけれど,誤解を恐れずあえて一言でいうと,

できるだけ多くのさまざまな機会を与える

ってことなんじゃないかと思う。言い方を変えると,経験値を高めてやるということ。

新しい世界に身を置くと多かれ少なかれ,さまざまなカルチャーショックを受ける。それでも経験値が高ければ,状況に早く適応することも,その環境下で能力を発揮することもできるはずだ。中身のつまった引き出しの多い奴が生き残る。そういう奴が即戦力として力を発揮するわけだ。

今ちょうど冬季オリンピックが開催されているが,スポーツだって同じこと。経験値が高い奴ほど,プレッシャーやピンチに強い。

僕らはそんな技術者を育てるべきなんだと思う。

企業でインターンシップをすることも,英語でプレゼンすることも,日々の実験や演習をすることも,レポート書くことも,教員室をノックして質問や相談に行くことも,部活で頑張ることも,もちろん,友達とバカ話することも,ぜーんぶ,経験。

僕ら教員の側は,時代の変化や学生の個性に合わせて,いろいろアプローチは工夫すべきだけれども,基本的になすべきことはこういう普遍的なことなんだよな,と他の先生方とディスカッションする中で改めて考えた次第。

というわけで,学生の皆さんには,そういうチャンスを自らドブに捨てるようなもったいない真似はしてほしくない。学生でいるうちに,できるだけいろんな経験を,いろんなチャレンジをしてください

あ,でも,酒とタバコはダメだよ。


2014年2月12日水曜日

自己流レシピ0004: 大根の皮のきんぴら

大根の皮のきんぴら


煮物やおでんで大根を多めに使うと,むいた皮が残る。厚めに皮をむくと何だかもったいないので,それをリサイクル。

材料:

 大根の皮: 1/2本分くらい
 その他,にんじんの皮や中途半端なゴボウなど冷蔵庫にあるあまり野菜など適量(あれば) 
 ごま油: 大さじ1
 めんつゆ(3倍濃縮): 50cc
 かつお節: 適宜
 白ごま: 適宜
 七味唐辛子: 適宜

手順:
1. 大根の皮は細切り,長さは7~8cm くらいにする。

2. その他の野菜はあれば同じように切る。キノコやレンコンを使うのもいい。今回はたらこ煮を作って余ったつきこんにゃくを使った。この場合,下ごしらえは不要。これはこれでアリ。

3. フライパンにごま油を熱し,1. 2. を同時に投入し炒める。

4. 全体に油が回って大根の皮がしんなりしてきたら,めんつゆを4倍に薄めてフライパンに投入。めんつゆの薄め具合は規定より気持ち薄めでトータル1カップ(200cc)になるくらい。
 
5. かつお節を加え,火を強めて,水気がなくなるまで炒り煮にする。今回はかつお節の代わりに,北海道産の鮭節を使用。

6. 水気がなくなったら, 火を止め,白ごまや七味唐辛子を加えて,ひと混ぜする。我が家の場合,子供が辛いのが苦手なので,七味は食べるときに加える方式。


本当はにんじん(の皮)なんかを加えた方が色鮮やかでキレイ。冷蔵庫のあまり野菜ではありえないけど,ベトナム料理なんかで使う青パパイヤなんかでも同じように作れそうな感じよね。

この味付けは比較的薄めなので,めんつゆの希釈度合いは好みで。


自己流レシピ0003: たらこ煮

たらこ煮
 

冬の定番。スーパーなんかで生たらこやたち(白子)があると嬉しくなってついつい買ってしまう。
そんな時のお決まりの一品。

材料:

 生たらこ: 300g くらい(真鱈の子でも助子でもいい)
 つきこんにゃく or しらたき or こんにゃく: 100g くらい(別になくてもいい)
 しょうが: 1かけ
 だし汁: 500cc
 醤油: 小さじ4
 砂糖: 小さじ4
 酒: 小さじ4
 塩: ひとつまみ

手順:
1. しょうがは千切りにしておく。


2. だし汁,醤油,砂糖,酒,塩を鍋に入れ,火にかける。

3. つきこんにゃくやしらたきならそのままでもいいし,食べやすい長さに切るだけでいい。こんにゃくなら,つきこんにゃく風に細切りにしておく。火にかけた合わせ調味料が沸騰したら,こんにゃくを投入し,4~5分煮る。火は弱火で煮立たせないように注意する。今回はたまたま安売りしていたつきこんにゃくを使用。


4. この間にたらこを準備する。今回は真鱈の子を使う。個人的にはこっちの方が好み。


この場合,縦に半分に切り,横方向はだいたい3~4cm角くらいになるように切る。今回は10個くらいに切り分けた。助子ならひと口大くらいに切り分ければいい。


5. 鍋にたらこを投入。このとき,表面の皮が下になるように入れると,切り口のところが加熱により花のように開いてきれいに仕上がる。


6. まんべんなく火が通ったら,火からおろす。温かいままでもおいしいが,冷めても旨い。というか,個人的には冷めた方が好き。

7. 盛り付ける際に,千切りしょうがをトッピングする。


この分量だと薄めの味付けなので,煮汁もいただける。熱いご飯に冷たい煮汁ごとかけて食べても美味。ご飯のおかずにも酒の肴にも最強です。

こんにゃくや白滝を使わない場合は,だし汁は400cc,醤油,砂糖,酒は大さじ1でいい。


サイダー部活動始

先日は,自称・サイダー部の2014年最初の活動を行なった。

今回は,オーストラリアの Thunder Road Brewing の坂本さんからお土産でいただいた Pear Head という洋梨のサイダーをテイスティングすることが主目的。前回の部活で残ったベアレンサイダーとも飲み比べをしてみた。


Pear Head は手摘みの洋梨オンリーで醸造されており,日本でいう果実酒に相当するが,ベアレンサイダーは,ほんの少しモルトが使用されており,正確には発泡酒になる。

ということでビールとサイダーは本来別物で,日本地ビール協会のビアスタイルガイドラインにもサイダーのスタイル定義は存在しないし,日本国内のコンペでサイダーが審査されることは現状では原則としてない。ところが,海外ではビールの審査会でサイダー部門があることも少なくない。

テイスティングするに当たっては,スタイルを定義したガイドラインが欲しいところだけれど,日本には残念ながらなさそう。探してみると,アメリカのBJCP(Beer Judge Certification Program)のスタイルガイドラインにはビールとは別にサイダーのガイドラインがきちんとある。

というわけで,今回テイスティングする梨のサイダー(正確にはペリー)のスタイルを確認してみた。
ガイドラインには,ペリーとしては細分すると 3 つのスタイル,
  • 27D: コモン・ペリー
  • 27E: トラディショナル・ペリー
  • 28D: その他のスペシャルティ・サイダー/ペリー
があるらしい。28Dは副原料などを使った他のカテゴリーに収まらないサイダーを対象としたものなのでちょっと違う。ということで,27Dと27Eのスタイルを簡単にまとめてみると…
  • 原料: 食用の洋梨(27D),ペリー用に栽培された非食用の洋梨(27E)
  • アロマ: 洋梨のキャラクターが認められるが,明らかなフルーティさがないこと。若い白ワインに類似した傾向を持つこと。(27D・E共通)
  • 外観: わずかに濁りがあるものからクリアなものまで。一般に極めて淡色。(27D・E共通)
  • フレーバー: 洋梨のキャラクターが認められるが,明らかなフルーティさがないこと。若い白ワインに類似した傾向を持つこと。ここまでは2つのカテゴリに共通。両者の違いは苦みで,(27D)苦みはない。(27E)ほのかな苦みがある。
  • マウスフィール:  フルボディに近い(27D・E共通)。渋みのレベルに両者の違いがある。(27D) 低~中レベルのタンニンに似た渋み。(27E)中~高レベルのタンニンに似た渋み。
  • 全体印象: 中程度の甘み。ほとんど発泡していないか,微発泡。非常にわずかな酢化は許される。ネズミ臭,粘りやオイリーな特徴は明らかな劣化の兆候。ここまでは共通。両者の違いは (27D) マイルド,(27E) 強いタンニン…とここはかなりしっかりした違いがある。
  • 初期比重: (27D) 1.050-1.060, (27E) 1.050-1.070
  • 最終比重: 1.000-1.020 (27D・E共通)
  • ABV: (27D) 5-7%, (27E) 5-9%
という感じ。大きな違いは原材料で,トラディショナル・ペリーの方が,タンニンが強く,苦みも感じられ,初期比重がわずかに高い分,度数が高いこともあるというような感じだろう。

今回の Pear Head は度数 4.5% でどちらのレンジにも入らないんだけど,おそらくスタイルとしては27D になるんじゃないかと思う。ちなみに,Pear Head はオーストラリアのブルワーがベルギーで醸造してオーストラリアに輸入されているサイダーなんで,いずれにしても,トラディショナルというイメージではない。

実際にテイスティングしてみた結果は次の通り。色は非常に淡くクリア(ベアレンサイダーと比べてもかなり淡いことが上の写真からもわかる)。洋梨の上品な香りが長く余韻として残り,甘みが強い。ボディはフルに近く,かなり控えめな微発泡で,甘いデザートワインのような印象。タンニンはあまり感じられず,甘漬けの梅干しに似たフレーバーをほんのわずかに感じる。

こう書いてみると,確かに 27D のスタイルにおおよそ合致しているけれど,スタイルにあるよりもかなりハッキリしたフルーティさを感じる。甘みが強く,度数がそれほど高くないこともあり,推測すると,最終比重をあえて高めに抑えて,果実味を残したデザインにしてあるのかな?という印象を個人的には受けた。そういう意味では,27D に近いけど,ブルワーの意図としては,27D のスタイルに必ずしも合致したものではないのかもしれないと思う。

どうなんでしょう? > 坂本さん

これに比べるとベアレンのサイダーはかなりドライに感じられた。こちらもいつもはすごくフルーティな印象を受けるんだけれど,Pear Head のフルーティさがなんせ強かったですかね。

スパイシーなアジア料理に合わせるといいかもしれない。
3 月,メルボルンに行ったら,また呑めるかな?ぜひフードとも合わせてみたいですね。


追伸: 会長,日本でもサイダーガイドライン,作りませんか?


2014年2月11日火曜日

内股

決まり手ではない。

いやぁ,それにしてもこの週末の雪はすごかった。
僕は土日とも都内に出張だったが,土曜日の帰りは,電車が通常の 3 倍くらい時間がかかったし,駅から家までは路線バスも全面運休,タクシーは長蛇の列だったもんで,雪中行軍と相成った。まぁ,いつも歩いている道だし,雪国生まれの身からすれば珍しいことではないんだが,東京に住んで 17 年,さすがにこれは経験にない。

ちなみに,駅から家までの行程は結構な坂道を上るんだが,坂の下の風景もこんな感じ。


東京の風景じゃないよねぇ。
で,上り始めたところ,誰かが作った轍があったので,それに沿って歩けばいいんで,比較的楽ではあったが…


やっぱり東京の風景じゃないよねぇ。
で,坂を登り終えた風景は…


てなもんで,これはどこだという…ちなみに,この辺は映画『もしドラ』で前田あっちゃんが走ったあたりですね。

翌朝(日曜日)も 9 時までに都心に出なくちゃいけなかったし,都知事選もあったので,朝イチで投票に行った(ちなみに投票は一番乗りでした)。で,投票所の小学校から駅までの行程はほとんど誰も歩いていなかったので,またしてもかなりの行軍。ただ,誰か一人だけ,こちら側に向かって歩いてきた形跡があって,こんな感じの足跡がついてた。写真はないので,なんちゃってな落書き風でご勘弁…

で,雪深い中を漕いで進むのは嫌なので,この足跡に沿って歩こうとしたんだが,上の形をみてわかるように反対側から足跡に合わせようとすると,どうしても内股になってしまう。というわけで,深い雪の中をオカマ歩きしながら進みましたとさ。

毎度,バカバカしいお話でした。