2020年4月16日木曜日

心の栄養

最近,ウチの近所の書店が閉まっていて何か寂しいなぁ,と思っていた。
COVID-19の影響でいくつかのサービスが休業に追い込まれているものの,東京都は結局,書店には休業指示を出さなかった。にもかかわらず,書店の入っているショッピングモールやビルそのものが休業に入ってしまったため,休業しているところが多いらしい。
その一方,大手のレンタルビデオ店は普通に開いていたりする。

今朝,このことで感じた違和感をfacebookに投稿した。

ボクがこの投稿で意図したことは,レンタルビデオ店を非難することでもなければ,書店が休んでいる事実を憂いているわけでもなかった。

本屋ってこれでいいのだろうか?という積年の思いが再びこみ上げてきたからだ。

実はこの状況下でも,本を買おうと思えばネットで手に入る。早ければ24時間以内にも手にできる。つまり,実店舗が開いていなくても,僕らは欲しい本と出会うことができるわけだ。

ただ,ネットで購入する場合は,特定の本を買いたいと思って探すという明確な意図があるケースが多い。つまり,我々は能動的に本に出会いに行くことになる。一方,かつての書店では,ぶらぶら棚を見て歩いて,思いも寄らない本や作家に出会うことがあった。それがマイナーなもの,マニアックなものであればあるほど,自分だけが知っているような幸せに浸ることができた。つまり,受動的な態度であっても本との幸福な出会いができたわけである。(もちろん,ネットでも同じようなことをすることは不可能ではないが,実店舗の床面積に比べてサイバー空間の広さは遠大すぎて,心が折れかねない....)

しかし都心の大きな書店を除けば,特に地方の小さな店舗やチェーン店では,そういう出会いが難しくなっている。店頭に並べられる本は画一化され,マジョリティーにアピールする安定な品揃えになっている反面,上に述べたような意外な掘り出し物に出会う確率はとりわけ低下していると言わざるを得ない。まぁ,これはここ10年,いやそれ以上の間長く語り尽くされてきたことではあると思うけれども。

同じことがCDショップなどについても言えるだろう。ボクもかつては,意外な出会いを求めて店舗の棚を漁ったものだが,今はネットで試聴して気に入ったものをポチッと買うことが圧倒的に多い。さらに,音楽の場合はもっと問題は深刻で,ストリーミング配信の利用や,アルバム単位ではなく1曲単位で購入するのも当たり前だから,ますます実店舗の足元は危うくなっているように思う。

と,ココまで来てふと気がついた。ビデオも同じか

ビデオもVODや,さらに言えばネットオンリーのコンテンツなんかも増えているし,子どもたちはYouTubeだけで満足していたりもするから,実はレンタルビデオ屋の支持基盤も危ういのだな。そりゃ,この状況でも店舗,閉められないわ。

ということで,冒頭のボクの違和感はなんとなく,自己解決しました。

でも,数多ある中から,自分だけがこっそり見つけたようなマニアックな幸せ,感じたいよねぇ...


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