2013年10月14日月曜日

敗戦の弁

昨日,今日と旭川市民文化会館で行われていた第24回全国高専プログラミングコンテストが終了しました。僕は全国プロコン委員として競技部門のシステムチェックから立ち会ったため,先週の木曜日から旭川入り,今日で 5 日目です。今月も何気に旅人ですね。

さて,大会の結果ですが,我が東京高専は,競技部門は準決勝敗退で受賞に至らなかったものの,課題部門で最優秀賞・文部科学大臣賞・情報処理学会若手奨励賞・東芝ソリューション企業賞を受賞しました。



本校の最優秀賞は2年前の自由部門以来 2 年ぶりです。2 年前,つまり Imagine Cup 出場を果たしたチーム Coccolo 以来の受賞ということになります。

さて,なんかよさそうな話なのに,なぜタイトルが「敗戦の弁」か?というと,僕は輝かしい結果を残した課題部門ではなく,競技部門チームの方の指導教員だったわけ。もちろん,彼らも精一杯頑張ったし,頑張ったからこそ,1回戦を突破して準決勝に進んだわけです。今回の敗因は,彼らの作ったプログラムの完成度の問題ももちろんあるけれども,半分は僕の責任だと反省しています。

今回の競技部門のタイトルは「じょっぴん通信~ダイスきな人に伝えてくだサイ~」というもので,送信側と受信側に分かれ,送信側は,与えられたメッセージをサイコロを使って符号化します。符号化後のサイコロの画像が写真撮影され,受信側に送られ,受信側はその画像だけから,元のメッセージを復元する,という通信の基本の「き」とも言えるゲーム。要素技術としては,画像処理,パターン認識,データ探索などに加えて,データ圧縮,暗号化,誤り訂正符号化などもあったんで,僕としても負けたくない思いだけはあったわけです。ま,最終的には,高度な圧縮や誤り訂正をする必要はなかったのかもしれないのだけれど。ちなみに,サイコロは大きさの違う 3 個を利用できるので,例えば 18 進の符号化みたいなことも考えられるから,普通の情報通信技術とは少し様子は違うけれどね。

で,自分の責任だと反省している点はどこにあるかというと,彼らの開発現場や大会期間中に十分な指導やアドバイスができなかったところなのだ。教員として,それじゃダメだよ。確かに,出張で飛び回っていて忙しかったり,大会期間中も運営側の委員でもあったので,彼らの横で助言することはなかなかできなかったりしたことは事実。だけど,そんなことはまったく言い訳にならない。それに,勝負が終わってからこういうこと言うのもずるいわけだけれど,ホントに心の底から,もう少しやりようがあったよなぁ,と感じている。チームメンバーの学生たちには申し訳ない思いが残っています。

ただ,ただね。大会で上位入賞したチームが作ってきたものの完成度はやっぱり高かったと思う。競技部門もそうだけれど,課題部門も自由部門も。僕らがいくら指導したって,プログラムを組んで作品を作り上げるのは当の学生たちなわけで,そこは学生たち自身も今後の指針にしてほしいと思います。その意味でも,僕は軍師として自分の役割を全うできなかったことを深く反省するばかりです。

それでも,ウチのチームは,一応,会場を沸かせはしたわけだけれどね。ま,あまり多くは語りたくないけれど。競技部門の名解説でおなじみの某先生からも

いや,今回は東京高専がいたから盛り上がったんだよぉ!

と言っていただけた。どうやら,某I原先生は,本当にそう思ってくれていたみたいなんだけれども,僕の表情は引きつりながら,背中に嫌な汗をかくだけでしたよ。

まぁ,とにかく,結論としては完成度が命。大会のずっと前にプロトタイプができていて,実地検証も済ませて,改良を加えた上で現場に持ち込むのが鉄則。これは長い間,そういわれ続けてきて,実感もしてきたこと。それができなかったことが最大の敗因で,僕の責任もそこにある。いや,どっかでリベンジはさせてもらいます。

ちなみに来年の課題部門は「防災・減災対策と復興支援」。これは,今の僕の研究テーマにも合致するし,前に東北の自治体にヒアリングしたときに仕入れたネタで公表しておらず,研究の延長線上にもまだ載せていないものもある。来年の課題は,本腰入れて獲りに行こうかね?そのためには,まずは本気になってくれそうな学生さんを集めないとね。

というわけで,戦いはまた始まりました


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