2016年8月27日土曜日

立場の相違

昨日も書いたが,今回の札幌出張の主たる目的は SCIS&ISIS 2016 という国際会議に出席することであった。

プログラムを見るとわかるのだが,この会議,オーガナイズド・セッションが36件一般セッションが12件。ということで,75%がオーガナイズド・セッション。僕が担当したのも自分で構成したオーガナイズド・セッションだった。

オーガナイズド・セッションというのは,オーガナイザがトピックを決めて,論文を募集し,ある程度オーガナイザの責任の下で論文の採択やセッションの構成を決定できるというもの。会議の主催者側からすると,ある程度参加者数や投稿論文数の見込みが立つので,運営上,いろいろと便利なことも多い。最近,オーガナイズド・セッションを採用する会議も増えているし,今回のようにオーガナイズド・セッション偏重のものも少なくない。

ただ,参加する側からすると必ずしもハッピーなことばかりではない

特に今回の僕の場合,会議のスコープからすると若干的を外しているんだが,分野外の人にも自分たちの分野の最新の動向などを紹介できるという意味も込めてオーガナイザを引き受けさせてもらった。だが,フタを開けてみると,いわゆる分野外の聴講者はあまりおらず,会場には関係者の方が多いという有様。必然的に質問なども少なく,自分からの情報発信はできたが,十分な議論ができて,多くの新しい知見を持ち帰る,という感じには残念ながらならなかった。

もちろん,そのこと自体は主催者側の問題じゃなく,参加者がもっといろんな話を聞きに行けよって話だし,僕自身も自分の関心から遠いセッションには足を向けなかったりするから,お互い様だったりする。

ちなみに前回記した僕らがやっているIWSDAというワークショップは常に1つのセッションしかないため,その場にいない ≒ サボっている,がほぼ成り立つ(微妙に等号とも言い切れないわけだが)。だから,それなりに密度の濃い議論ができるよね,というのがウリでもあるわけだ。ただ,会議の規模が大きくなったら,並列セッションを組むのは致し方ないし,会議の安定した運営のために参加者を集めようと思ったら,オーガナイズド・セッションを組むのは一つの解決法ではあるだろう。

なかなか難しいよね。

こういうのってどんな分野でも一緒ですよね。きっと。

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