2012年2月2日木曜日

月曜の朝に真夏のような暑さのタイから帰ってきて,東京は連日寒風が吹きすさび,その上,溜まりに溜まった雑用に忙殺されていて,少々消耗気味。バンコク最後の夜は高校時代の同級生でタイで大学教員をしているフジワラ君と久々の再開ができ,短いけれど楽しい時間を過ごしたが,一気に back to reality なのであった。

さて,冒頭から若干,ボヤきが入っているけれども,これとは別のネタで今日はボヤく。思う存分ボヤく!

えー,今受けている科研費が 3 年計画の 3 年目で,この 3 月に成果報告を兼ねたワークショップをウチのガッコでやろうと計画している。連携研究者や外部講師も呼んで,ウチの学生にも何人かしゃべってもらうつもりでいる。このワークショップについては,そのうちココでも告知させてもらうつもり。ただ,今日はこれに関してボヤく。

外部から人を呼ぶので,その人たちには基本的に謝金と旅費を支払うことになる。しかし,連携研究者や共同研究者として一緒に研究組織に加わっている場合,いくら学外の方であっても謝金を出すことはできない。今回のワークショップは,この両方の人がいる。ある方には謝金が支払えるが,ある方には支払えない。まぁ,これはこれまでも承知してきたルールだから,まぁ,良しとしよう。ここからが問題。

実は,彼らに謝金や旅費(税法上,これは報酬ということになる)を支払う場合,支払う側,すなわちウチのガッコは 10% を所得税として源泉徴収しなければならない。今回もこれに当たるので,外部講師として招へいする先生方に支払う謝金や旅費は実際には 10% 減額された額が支払われることになる。ふーん,って感じだが,一つ問題が起こる。謝金が出る方については,まぁ,あまり問題がない。ピンはねされる 10% は通常,謝金よりも金額が低いので,まぁ,謝金が目減りしたと思えば,釈然とはしないまでも,それなりに納得もしてもらえると思う。ところが,共同研究者のように,謝金が支払えず,旅費だけの人は,90% の金額しか受け取ることができない

これって,結構乱暴な話だ。先方からすれば,こっちから依頼されてわざわざ八王子くんだりまで出張してくるのに,自分が立て替えで支払った額の 9 割しか支給されないわけ。依頼されて出張するのに,結局自腹切って赤出すことになる。どういうシステムなんだよ?呼ぶこっちとしても何か申し訳ない気分になるよね。

実は 2 年前にも同じ人を同じシチュエーションで招へいしているのだが,その時はこんな話は出なかった。制度が変わったわけではないから,ひょっとすると何らかの見落としがあって,スルーされたのかもしれない(コレ,ここで書いても大丈夫かな?もう書いちゃったけど。)。…だったら,今回もスルーしてよ…なんて言うと,どっかの正義の味方に怒られるんだろうな…

まぁ,来年確定申告すれば戻ってくるのかもしれないけれど,その手間をかけさせてしまうのも,こちらとしては心苦しいよなぁ。

この辺の税制の話,国税庁のウェブサイトで閲覧できる。これによると,実は抜け道があることがわかる。関係する部分を抜粋すると…

…支払者が、これらの報酬・料金の支払の基因となる役務を提供する人の
その役務を提供するために行う旅行、宿泊等の費用を負担する場合に、
その費用として支出する金銭等が、その役務を提供する人(中略)に対して
交付されるものではなく、その支払者から交通機関、ホテル、旅館等に
直接支払われ、かつ、その金額がその費用として通常必要であると
認められる範囲内のものであるときは、源泉徴収をしなくて差し支えありません。


こういう文章って,とっても読みづらいが,要はこういうことだ。依頼して出張してもらう時に,その人が航空券代や鉄道料金,ホテル代などを先に立て替えて,後から出張旅費をウチのガッコから支払う場合には源泉徴収をしなければならないが,ウチのガッコが直接,交通機関やホテル等に支払う場合には源泉徴収の必要はない。すなわち,例えば,出張者が,航空券や電車賃,宿泊費を一括して旅行会社に依頼して見積もりを取り,請求書をウチのガッコに回してもらって,直接,ガッコから旅行会社に料金が支払われる場合,つまり,旅行者が旅行代金のやり取りに一切絡まない場合は源泉徴収の必要はないということらしい。

……なるほどね。次からは,そうしないばならんね。

しかし,結局,同じカネが動くわけで, カネを受け取る側からすれば収支トントンで一銭の儲けにもならないなのに,手続きの順序や経路が違うだけで,10% ピンはねされるかどうかが決まるなんて,やっぱり何だか納得いかない。

こんなめんどくさいことがあると,何か,学外の人に研究組織に入ってくれと頼みづらくなるよね。マジメに仕事や研究しているヒトの活動を妨げるような法律や税制は,見直してくれんと困る。ホンットに困る。

いろいろ調べていい勉強にはなったけれど,やっぱり何か気分悪いよね。それに,先方に対して申し訳ないなぁ,という思いだけが残る。

何だかなぁ…

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